美夜になんと声をかけていいのか分からない。
謝ることしかできないのだと思いながら、彼女の寝顔を見ていると

美夜のお母さんが部屋に入ってきた。

「…透依くん!来てくれたの…」

「はい、すみません…オレ────」

「美夜が喜ぶわね。透依くんに会いたがってたから…」

「…」

別れたことは聞いているはずだ。

久しぶりに見た彼女のお母さんは
娘を失ったショックからか、すっかり疲れきった顔をしていた。

「明日、解剖なのよ…その前に透依くんが来てくれて良かったわ」

「解剖…」

美夜の身体を切り刻んで細胞の隅々まで調べるんだと想像すると、辛かった。

「この子に何があったのかしら…ドラッグなんかをするような子じゃないのは、透依くんならよく分かってるわよね?」

「もちろんです」

「最後に会っていたという女性を警察も捜してるの。その人が見つかれば…美夜に何があったのが分かるのに

何にも分からないのは本当に辛いわ…
美夜が死んだだなんてまだ信じられないのよ」

「よく…わかります」

真実を知りたい。

誰もがそう願ってるんだ。

鍵はレイナが握っている。

オレは外に出てレイナに電話した。