「お、織江…礼奈…ですか?」

オレは自分の耳を疑った。
何故、ここでレイナの名前が出てきたのか意味がわからない。

だけど、とっさに知らないフリをした。

「さあ…知りませんけど…』

『…そうですか』

だってレイナは関係ないだろ?
オレは九州に居てアリバイ的なものは完璧だけど、もしオレを疑うにしたって…何故、警察はレイナの名前を出したんだ?

「その女は美夜と何か関係があるんですか?」

『成田さんに最後に接触した女性らしいので、もしお知り合いなら…と思ったのですが』

…なんでレイナが?

美夜と会った?

顔見知りだったって言うのか?

なんで?

全然話しが見えない。

警察にはレイナとオレが付き合ってると知っていて聞いてきた気もしたけど

どうしてだか、オレはレイナとの関係を隠した。

「…知りませんけど」

そうしなきゃヤバい気がして

『そうですか。では何かありましたらご連絡下さい』

「はい、失礼します」

最初の声よりも、明らかに動揺した声でオレは電話を切った。






…一体、どういう事なんだ?

レイナに話しを聞かなきゃいけない。

オレは仕事を休んで、また東京に戻った。