「お兄ちゃんの…願い…?」

「お前は実の兄とデキてても平気そうだったけど、雨峰が幸せそうな顔をすればするほど'苦しい'って

穂貴は言ってた。きっと罪悪感でいっぱいだったんだな。

だから、途中から穂貴が『死にたい』って言いだして

『SweetPainを飲めば死ねるよな』って

ひどいよな──アイツ、SweetPainを飲むから、少しだけ見ててくれなんて言い出すんだ。






『俺が完全に逝く前に出ていって構わないから、少しだけそばに居てくんない?』

『ヤダよ。俺にトラウマを遺す気か?死にたきゃ独りでやれよ』

『頼むよ、こんな事頼めるのはアズマしか居ないんだ。俺の500万渡すから』

『お前の命が500万って安くね?』

『悪いな、それしか持ってないんだ。雨峰に残してやりたいけど…綺麗な金じゃないし』

『俺にはわかんないよ!金は金だし!近親ソーカンでも、相手は人間の女だ!違いなんてそうないだろ?』

『俺には無理っぽいよ。もう決めたから…雨峰を幸せにするって。その為に俺は消えるんだ。俺とじゃ、まともに生きられない』


そう言って、穂貴は5錠のSweetPainを水で喉の奥に流し込んだ。