*雨峰's†heart*








「えっ…」

まるで考えてもいなかったような事をレイナちゃんは口にした。

どう解釈したらいいのかわからない。
ただ漠然と、ヤバい事が起きたんだろうなって思ってたけど…

「私が殺したワケじゃないわ。ただ…あるものを渡しただけ」

「それって、もしかして…」

「雨峰ちゃんは知ってるわよね」

「sweetPain…」

前にレイナちゃんが持っていた。'渡した'と言うならこれしか思いつかなかった。

レイナちゃんは黙って頷いた。

でもどうして?死んだ彼女は知り合いだったの?

殺したかったのか?とは聞けないし…

「どうしてレイナちゃんが逃げなきゃいけなかったの?」

「──私が売人だからよ」

「ウソ…!!ウソでしょう!?」

私の中で、奇妙な点が生まれた。

もしかして、お兄ちゃんにドラッグを売ったのはレイナちゃんなの?

今まではアズマを疑ったりもしていた。

でも…売人はアズマ一人じゃないんだ。

だからアズマと顔見知りだったんだ。

「本当よ。だけど、彼女には通常売る倍の数を渡したの」

「殺すため?それとも彼女が望んだの?」