私は身体が凍りついたようにテレビの前から動けなかった。

──成田・美夜──

その名前から目をそらせない。



死んだ…

私が手渡したSweetPainを飲んで…死んだの…?




私は慌てて大きめのバッグに服と下着を積めて、もうろうとしながらも部屋から飛び出した。

逃げなきゃ!
どこでもいいから逃げなきゃ…!

でも人目につくのはマズイ!

少し考えて、とりあえず私は雨峰ちゃんに電話した。

『もしもし。レイナちゃん?どうしたの?』

「ゴメン、助けて!雨峰ちゃん家に泊まってもいい!?」

『いいけど、どうしたの?!』

「話せないの。でもお願い!」

『…分かった。近くまで迎えに行くね』

雨峰ちゃんはそれ以上何も聞かずにいてくれた。

私はそのまま雨峰ちゃん家の方向へと歩いた。しばらく行くと、向こうから雨峰ちゃんがやって来たのが見えて

私はメチャメチャ安心した。

雨峰ちゃんは私の姿を見るなり走ってきて、驚いていた。

「ちょっと、大丈夫!?入院してたんじゃないの?こんなに痩せて…」

心配してくれたのが嬉しかったのか、私は涙が溢れてきた。

「大丈夫…来てくれてありがとう…」