まり子からのメールが来た記憶はない。
いくらバタバタしていたからって、記憶喪失になるほどじゃなかったと思うし…

『ウソ!いってません?おっかしいなぁ…違う人に送っちゃったのかな…』

「そうかもしれないよ。オレもたまに間違えたりするしね。で、どんなメールだったの?」

『恥ずかしいから、メールで送り直します』

「今言ったって同じじゃん?」

『ダメ!言えません!送りますから、読んでくださいね!』

そう言うと、まり子はさっさと電話を切った。

なんなんだ?

考える間もなく、まり子からメールが送られてきた。

恥ずかしいメールって言ってたけど、まさかエロいメールって事はないと思う。

何にも考えずに開いたメール。

『すみません。こんな時にこんなメールを送るのって自分勝手だと思われても仕方ないんですけど

どうしてもガマンできなくて。

私、青山さんの事やっぱり好きになっちゃいました。

青山さんとキスした時から青山さんの事が忘れられないんです。

戻ってきたら私と付き合ってもらえませんか?

大好きです』

…ドキッとした。

携帯を見直してみると同じメールは一度受信されていて

メールは開かれていた。