「どうせ遊びで付き合ってくれてたんでしょ?オレの事なんか好きじゃなかったんだし。

だから、中川さんとデートでも何でも行けばいいじゃん?

遠慮なさらずに!」

『待って、私…』

オレは、もうレイナと終わるんだと思っていた。

だが、それを望んだわけじゃない。

彼女がそれを望んでる気がする。
『もう終わりにしたい』と、態度に出てる気がして

オレは抵抗できないと思った。

そうだよな。オレの事なんか…最初からそれほど愛してたんじゃなかったんだ。

結婚まで考えてたのは、オレの一方的な気持ち。レイナはキャバ嬢を続けたいと言った…

『ねぇ、ちゃんと話しを──』

「何を話す必要がある?だってレイナはオレを愛してないだろ?

それともちゃんと別れ話しをしたかった?

そんなのもういいよ。そんな事しなくったって別れるんだ。

それでもオレは…今も結婚したいほどお前を愛してるよ…


さよなら」

『イヤ!待って、話したいの!今すぐ会いたいのよ!切らないで!!透依!!透…っ』

オレは一方的に電話を切った。

…バカが。
下の名前で呼びやがって。

中川さんに聞かれたらどーすんだよ。

キャバも続けるんだろ?