ハァァ────!?
そんなの自分で何とかしろよ!

バカじゃねーの?!
後輩頼るなよ!

一人でなんとかしろよ!あー、もうムカつく!

『さっきからずっとデートに誘ってるんだけど、なかなか'ウン'って言ってくれないんだよ~』

「そのまま頑張ってください」

何とか電話を切るタイミングをはかっていると、向こうから中川さんとレイナが話してる声が聞こえきた。

『ほら、レイナ。電話に出て…

えっ、いや、あの…私…

平気、青山だから』

ガチャガチャっと音がして無理矢理、電話を渡されたらしいレイナの声が聞こえた。

『えっと…お久しぶり、青山くん。きゅ…九州に転勤になったんですってね?』

「あー、そうですね。それがどうしましたか?一緒に来てくれなかった貴女には関係ないですよね?」

電話の内容が中川さんに聞こえてないのをいい事に、オレは冷たく文句を言った。

レイナはどう思ってるのか分かんない。それでも中川さんの手前、上手に話しを合わせていた。

『急だったから驚いて…』

「そうですね。オレも急の辞令だったんですよね」

『…』

「でも貴女の気持ちはこの一週間でよく分かりましたから」

『と…青山くん…』