「アズマなんか嫌いっ!!」

「痛…ってぇ…なんだよ?」

「お兄ちゃんは絶対に目を覚ますもん!だからそんな事言うアズマなんて大ッキライ!!」

あたしは泣きながら怒鳴って、パッと車から降りた。

「お、おい!待てって!雨峰!」

アズマが止めるのなんか無視。
ここがドコだか分かんないけど、あたしは適当に歩いた。

だってムカつく!!

なんであんなヒドイ事言うの!?
お兄ちゃんはまだ生きてんだよ!?


「バカ!!待てよ、お前道分かんないだろ!?方向オンチのくせに、適当に歩いてどうする!」

アズマがあたしを追いかけてきた。
あたしの手首を掴み、足を止める。

「帰れるもん!放してよっ!!アズマなんか嫌いって言ったじゃん」

「…ゴメンな」

「謝ったって嫌いだもん!なんでヒドイ事言うの?付き合ってるとか平気で言ったり、俺の女になれとか…

あたしの気持ちとかムシじゃんよ!!
あたしは何なの!?アズマのペット?」

「…ゴメン」

「お兄ちゃんがあんな風になった理由が知りたかったけど

──もういい!もう嫌だ!アンタなんかキライ!アズマの嘘つき!バカぁ!」

それでもアズマはあたしを抱き寄せた。