「こんな風にワザと手首なんか切ってみせたら同情するとでも思ったか?

お前は事態を悪くしただけなんだよ!オレは絶対にお前とヨリは戻さないからな!」

「と、透…依…私…」

美夜は起き上がりオレを見て声を震わせた。

「死ねよ!お前なんか!もう嫌いだ!こんな事して被害者ぶる美夜なんて好きになれねーよ!」

「酷い…なんでそんな酷い事言うの…悪いのは…私なの…?」

…全てが本心ではなかった。勢いで言ってしまった部分もある。

そう。悪いのはオレ。美夜のせいじゃない。

美夜は浮気した事なかったし、彼女なりに一途にオレを愛してくれてた。

それは分かってるんだ…

だけど、オレも限界だった。美夜とは戻れない…戻るつもりもない。

もっとキレイに、スッキリとした形で終わらせたかったのに。

そうさせなかったのは美夜のせいだ。自分で自分を追い詰めるような真似をしてるのは美夜のせいだ。

そうさせたのは



オレ・だけど──

もう優しい言葉はかけない。それは美夜の為にならない。

'自分勝手'だと、オレを憎めばいいんだ…

「もう終わりにしよう。明日300万持ってくる。それを受け取ってくれ」