だけどガマンした!
喉まで出かかった言葉を飲み込む。

「どうした?青山。話し聞いてた?」

オレはこっそりと数回深呼吸して、普通な顔をして答えた。

「聞いてますよ。そういうのは自分で考えてくださいよ~」

「うーん…」

中川さんに言う方が早いのは分かってるが言えない!

だいたい誘われてOKするか?!彼氏の先輩だからって、普通断るだろ!

なに考えてんだレイナは!

とにかく彼女に話しをしてレイナの方から中川さんとのデートを断らせなきゃだ!

イライラしながら中川さんの話しを聞き、駅でようやく解放された。

仕事終わったら彼女に会いに行って、話しをしなきゃ。
絶対に仕事も辞めてもらう!

とりあえずレイナにメールを入れようと思って携帯を取り出すと、一件の受信メール。

…美夜だ。

ホント、今夜はイライラする事ばかりだ。

全然思い通りにならない苛立ちと焦り。

乱暴にメールを開くと…美夜からではなかった。

文面からして、多分美夜のお姉さん。

『美夜が手首を切って自殺を図りました。幸い傷は浅く、命は助かりましたがしばらく入院します。病院の場所は───』

オレが原因だから
会いに来いって言うのか…