アズマはチラリと横目であたしを見て、また車線に目を向けた。

「さっきも言ったけどさー、アレには関わらない方がいいぜー」

「何かヤバそうなのは分かってるの。でも気になる。『顧客』って?お兄ちゃんはアズマさんと佳依って人と何をしていたの?」

「…ヤバいって分かってるのに言ってるなら…自分で確かめてみれば?」

「えっ?!」

しつこいあたしに観念したのか、アズマは拒否する事を止めた。

「俺の仕事を手伝えよ。もっとよくわかるぜ」

──それがどれほど危ない事なのか、見当もつかない。

でも、もう止められない!

コクンと、あたしは頷いた。

アズマは広い駐車場があるコンビニの隅に車を停めた。
彼は一人でコンビニに行くと、ミネラルウォーターを買って戻ってきた。

「…もう一度聞くけど。本当にいいんだな?」

「うん」

「…分かった」

アズマはまた車のエンジンをかけ、今度は10分くらい走らせるとそのままホテルに入っていった。

車を置くと、横に部屋への入口があるタイプのホテルだ。

あたしは素直にアズマについて部屋に入って行った。

ヤられるのくらいは当然覚悟してたし、別に平気だった。