仕方なく開くとやっぱり見合い…。



「親父、何回言えばわかんの?」

「でも頼む!!見合いだけして断ってくれればいい!!大事な取引先の孫娘なんだ…」

「夢子になんて言えばいいんだよ」

「私から話す…」

「やっぱりイイ。俺から言う。でも絶対受けねぇからな」

「私だって夢子さんの事は買ってるんだ。律汰をやる気にさせてくれたんだろ?」



いや、後継ぎの話と夢子は全く別問題…。



でも何でそう思ってるんだ?



アホだな親父、俺が女でやる気出すよな人間だと思ってんのか?



でも利用しとこ。



「夢子に説得されたから俺は後継ぎの事ちゃんと考えてんだからな。あいつに恩を仇で返すようなことすんよ」

「わかってる」



よし、たまには夢子も役に立つ。



へとへとに疲れて家に帰った。



「なんでそっちに行くの~!!」

「俺に拾われたんだもんな?」

「ご飯あげたのあたしじゃん!!」



ん?



『ニャ~?』って聞こえた気がする…。