でもリツには作戦があるらしく…。



「あいつはいずれ俺のもんだ」

「なんで!?」

「井坂を継いだ時、後々の事を考えて使える奴を育てんのも俺の仕事」

「腹黒い…」

「投資だ投資」



そんな斗夢君が家にやって来たのは2ヶ月後の事…。



大きな荷物と斗夢君。



「追い出されちゃった!!」

「だから?」

「お世話して?」

「図々しいぞトム」

「だって兄貴んとこは行けねぇじゃん?夢と兄貴の母ちゃんに合わせる顔ねぇもん…」



居候…。



これであたしとリツの甘くない日常は更に甘くなくなる予感…。



仕方なく居候する事になった斗夢君は料理、洗濯、掃除。



何でも出来る。



リツが気に入るのに時間がかからなかったのは言うまではない…。



「夢とリツって熟年夫婦みてぇ!!」

「どこを見て!?」

「だってさ、俺らくらいの歳の奴だったら普通もっとイチャついたりすんじゃん?」



だってリツがベタベタ嫌いなんだもん…。