「ありがと・・・」

『俺やっぱっ!!・・・』

「・・・?」

『・・・何でもねぇ。』


健は途中で言うのを止め、

でも、何か言いたそうにしていた。


その行動が気になった私は

無意識に健に質問をしていた。


「どうしたの??」

『っんでもねぇよっ』


そういう健の表情はとても辛そうで。

思わず手を伸ばしてしまった。

あと5cmで髪の毛に触れようとした。


・・・その時、急に屋上のドアが開いた。


『紗菜!!』

「っ俊君?!」


入ってきたのは、俊君だった。