健side


「おいっ俊?!どこ行くんだよ?!」


声を掛けても俊は止まらないで、

無言で足を進める―――。


何を言っても無駄だと思い

俺は口を閉ざした。


そして俊が止まった場所は、屋上だった。


屋上に着くと俊はこっちを向き、

俺に視線を合わせた。



『本当にお前じゃないのか??』


「あ?・・・違ぇよ。」


『じゃあ、紗菜が見たのは??』


「・・・知らねぇよ。」



何で呼び捨てで呼んでんだよ。

呼んでいいのは俺だけだ・・・。