「お邪魔しました それにチケット、ありがとうございました すぐに里衣子に連絡します」



玄関で花音はカイトにペコッと頭を下げた。


「楽しんできて」


カイトの優しい微笑みで花音は見送られた。



* * * * * *


CHANCEのチケットの事を話すにはカイトさんの事を言わなくてはならない。



なんで話してくれなかったのよ?と言われるのを覚悟で花音は携帯をバックから取り出した。



数回コールすると里衣子が出た。


『花音、どうしたの?』


メールではなく電話をかけてくるのは珍しい。


「里衣子、これから時間ある?」



『うん 姉貴に買い物連れて行ってもらうはずが彼氏を優先されちゃって腹が立っていた所なんだ どこで会う?』


「久しぶりにうちに来ない?」


『行く行く これから出るね』


元気な声が聞こえると通話は切れた。