「花音！カイトさんがいるっ！」



あの時は酔っ払っていた里衣子なのにカイトの顔をしっかり覚えていた。



里衣子の見ている方に視線を移すとカイトの姿はない。



ここは花音の住んでいる近くなのでカイトが歩いていてもおかしくない。



ずっと会っていなかったから里衣子の声に反応しちゃった・・・。



「いないよ？」



「あれ？そこを歩いていたんだけど・・・・絶対にカイトさんだったよ・・・でも隣に綺麗な女（ひと）がいたみたい」



隣に綺麗な女（ひと）と聞いて花音は心情穏やかではいられなかった。



カイトが去って行った方をガラス越しに覗き込むようにして見たが彼は見当たらなかった。



「チラッとしか見ていないけどやっぱりかっこ良かった♪」


里衣子は思い出したように言った。