パーティーの日まで花音は忙しく過ごした。


日本語の話せるマナー教師を招き、ほぼ毎日花音は特訓した。



空いている時間でドレスのデザインを決め、仮縫いなどで忙しかった。



ふいに時間が空くとカイトの事を考えてしまう。


――忘れたいのに忘れられないよ・・・。


とくにカフェオレを見るとすぐに思い出してしまう。


――何度カイトさんに電話しようと思っただろう。


フランスへ来ればカイトの事が忘れられると思っていた。


だが、カイトを想って日に日に心の痛みが広がっていく。