* * * * * *
その頃花音は空港にいた。
出発の日をカイトに知らせてはいなかったが、もしかして空港に来てくれるのではないかと淡い期待を花音は抱いていた。
飛行機が見える空港のレストランで食事をしている間も、出国待ちでロビーのイスに座っている時もいつの間にかカイトの事を考えている。
「・・・花音、そんな顔をしないで 嫌だったらフランスへ行かなくてもいいのよ?」
小説を持っているだけでまったく開いていない花音に母が言った。
「ママ・・・」
「カイトさんの事を愛しているんでしょう?」
「・・・ううん もう終わったの」
花音は首を横に振った。
「・・・それならいいわ」
ずっと様子がおかしい娘の神経をこれ以上逆なでないように母は口をつぐんだ。
その頃花音は空港にいた。
出発の日をカイトに知らせてはいなかったが、もしかして空港に来てくれるのではないかと淡い期待を花音は抱いていた。
飛行機が見える空港のレストランで食事をしている間も、出国待ちでロビーのイスに座っている時もいつの間にかカイトの事を考えている。
「・・・花音、そんな顔をしないで 嫌だったらフランスへ行かなくてもいいのよ?」
小説を持っているだけでまったく開いていない花音に母が言った。
「ママ・・・」
「カイトさんの事を愛しているんでしょう?」
「・・・ううん もう終わったの」
花音は首を横に振った。
「・・・それならいいわ」
ずっと様子がおかしい娘の神経をこれ以上逆なでないように母は口をつぐんだ。