「あたしは全身全霊であたしの事を愛してくれる人とでなければ嫌なの!花音ちゃんを愛しているカイトと結婚だなんて出来ない、それにっ さっき連絡がつかなくて心配してくれたって言っていたけど家まで探しに来るほどじゃなかったよね?」



「小夜子・・・」



――たしかに心配はしたが・・・あちこち探し回るほど心配はしなかった。



「カイト、もういいの・・・カイトの心は花音ちゃんのものなの 花音ちゃんと幸せになって 引き離した張本人がそんな事言うのもおかしいけど・・・」



「・・・もう遅いんだ 花音ちゃんはフランスへ行く」



花音の名前が口から出ると胸が痛い。



「フランス?」


「家族と一緒に向こうで暮らすんだ」