――どういうつもりなんだ?花音ちゃん。


カウンターから花音の席は良く見えるが、背を向けて座っていて花音の表情は見えない。



レイジが花音の座っているソファーの背に腕を伸ばす。



まるで花音の肩を抱いているみたいだ。



直接、触れていないのにはらわたがぐつぐつと煮え返る気持ちになる。



――くそっ!



そのうちレイジの手は花音に触れるようになった。



頬を軽く撫でたり、手を握ったりと。



花音以外の客ならば、ホストなので当然の仕草なのだが、レイジが花音に馴れ馴れしく触れるのは腹が立つ。



カイトはカウンターから出て花音の席に向かった。