「何も聞かないで・・・話せる様になったら向こうからメールするから」


里衣子はしばらく探るような視線を花音に向けていた。



「・・・うん わかった 花音が決めた事ならあたしがいろいろ言っても仕方がないし、カイトさんとどうして別れたのかはすごく気になるけど我慢する。花音は苦しんでいるから」



里衣子は励ますように笑みを浮かべた。



「ありがとう 里衣子」



「それで・・・いつフランスへ行くの?」






花音から3日後にフランスへ行くと聞いた里衣子は寂しがった。


「遊びに来てね?」


「もちろんだよ!お城に泊まれるなんて滅多にあることじゃないもんね?」



花音から父親の事情をすっかり聞いた里衣子は気分を明るくしようとおどけて言った。