「何かあったの?」


花音と目線を合わせようとしゃがむ。



一瞬あった視線もすぐにそらされてしまう。



「花音・・・カイトさんとケンカした?」


カイトの名前が出ると花音の手がピクッと動いた。


「私たちの事でケンカになったの?」


「ケンカじゃない・・・」



――ケンカじゃないよ・・・・。



「でも花音の落ち込みようはカイトさんのせいじゃないの?」


「・・・ママ、わたしも一緒にフランスへ行く・・・」


「花音!?」