「花音ちゃんは強いよ だから俺がいなくても君を大事にしてくれる人がすぐに出来る」


その言葉は花音の胸に釘が刺さったかのようだ。



「そんな言葉、聞きたくないよ!」


「花音ちゃん・・・」



――可哀想に・・・・。だが、若い君はすぐに俺を忘れる。


「もう決めたんだ 君よりも小夜子を・・・」





「カイトさん・・・最後に抱いてくれますか?」


花音は立ち上がると制服のブラウスのボタンに手をかけた。


「花音ちゃん!?止めるんだ!」


手を伸ばしてボタンを外す手を止める。


「いいでしょ?忘れるからっ カイトさんを忘れるから!」


カイトの手を外すと残りのボタンを外し始めた。