カイトの車が見慣れたマンションの駐車場へ入っていく。


マンションへ向かう途中、話をするのは花音ばかりだった。



カイトは考え事をしているようで気のない返事ばかり。



――やっぱり様子がおかしい・・・。



マンションへ着く頃には花音も黙り込んでしまった。




* * * * * *




「座って」


ソファーを勧められたが座りたくない。


座れば話が始まってしまう。


何か良くない話なんだと女の感が働いた。



「花音ちゃん?」


座ろうとしない花音にカイトが近づく。