「知らなかったとは言え、申し訳なかった・・・」


カイトの茶色の瞳に見つめられて小夜子は慌てた。



「だ、だって別れてからだったから・・・仕方ないよ・・」


――莉緒、あたし本当の事言えない・・・。



「また妊娠する事は可能なのか?」


「え?う、うん」


小夜子は頷いた。



――あたしの体の事を心配してくれているの?


そう思うと心に温かいものが流れた。


「そう、良かった・・・・」


やっとカイトの顔にうっすら笑みが浮かぶ。



――あたしはカイトに最低な嘘を吐いている・・・。