「カイトさん キスしたいの いい?」


上目遣いに見つめる花音にカイトはフッと笑った。


「いけない子だ」


カイトはひと目もはばからずに花音の腰に手を置きグッと自分に引き寄せた。



「カ、カイトさんっ?キスしたくなったけど、ここじゃ・・・」


まさか今ここでキスをするなんて思わなかった。


周囲には家族連れやカップルなどが車に向かっている。


「誘ったのは花音ちゃんの方だろう?」


意地悪く言うと唇を重ねた。


――この場所の方が良い・・・もっと君を欲しくなってしまうから。


花音に触れたかった。


だが今は出来ない。


カイトは苦しんでいた。