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「話をしようか」


そう言われた花音はいつもと違うカイトの様子を見て大きくかぶりを振った。



「・・・嫌っ!話なんかしたくない」


「花音ちゃん?」


「今日のカイトさん、何か様子が変だよ?わたしの事は自分で解決するから・・・話はしたくない」


カイトはおびえた目になった花音を見て可哀想になった。


――女の感なのだろうか・・・今、小夜子との事を話すつもりはなかったのに。


「自分で解決か・・・それが良いね」


カイトは両手を伸ばして花音のギュッと握られた手を包み込んだ。



「カイトさん・・・ごめんなさい あの人の事ちゃんと考えてみる」



「お父さんをあの人なんて呼んではダメだよ どうしても呼びたくないのなら名前で呼んだほうが良い」