「小夜ちゃん!?今なんて・・・?」


莉緒は耳を疑った。



「思わず言っちゃったのっ!」


片手を握って口元に持って行き、パニックになりそうなのを堪えようとしている。



「小夜ちゃん、話が見えないよ 落ち着いて 初めから話して?」


莉緒は小夜子の肩にそっと手をかけた。



「あの子にカイトを取られたくなくて――」


「あの子って花音ちゃん?」


「でも間違っていたの! カイトに違うって話してくる!」


小夜子はいきなり立ち上がった。


「ちょ、ちょっと待って!小夜ちゃん!」


莉緒が今にも温室から出て行きそうな小夜子の腕を掴んだ。