「小夜子、もうここへは来ないでくれ」


カイトの言葉に小夜子は愕然となった。



――ここへ来なかったらカイトには会えない・・・。


「それは嫌よ」


「俺に迷惑はかけないと言っただろう?一日で騒ぎを起こしたじゃないか」


冷たいようだがこれ以上、揉め事は避けなければ経営者として皆が付いて来なくなる。



経営者としてのカイトは皆から慕われていたがそれはカイトが努力した賜物だ。



「カイト・・・」


小夜子の目に涙が光った。


「小夜子、俺とはもうやり直せない」


カイトの言葉に小夜子に悲しみが襲った。


小夜子は必死だった。


その必死な想いが小夜子を悪魔にした。