「どうぞ お入りになってください」


母がカイトを部屋に招きいれようとした。



「いえ・・・申し訳ありませんが、仕事に行かなければならないので」


カイトが丁重に断る。



「あっ!」


花音は着ていたコートを脱ぐ。



「カイトさん、コートをありがとう」



カイトに渡すと着ずに手に持ったままカイトは頭を下げた。


「近いうちに遊びにいらしてね?」


母が残念そうに言う。



「はい 花音ちゃん、早く入って温かい飲み物でも飲むんだ」


「・・・カイトさん、ありがとう」