何も持たずに家を出た花音はエレベーターに乗り込むと20階を押した。


まだ夕方、カイトがいると思った。



しかしカードがない為、20階でエレベーターは止まりはしたが扉は開かなかった。



――そうだ・・・降りるにはカードが必要だったんだ。



花音は唇をきつく噛んで1階のボタンを押した。






1階に到着するとロビーへ出てカイトの部屋番号を押した。


数回押しても出ない。


――カイトさん、いないんだ・・・。


花音は外へ出た。