ヒロは2人が別れた理由を今日初めて知った。


酔っ払った小夜子がヒロに打ち明けたのだ。



まだカイトが好きだと言う小夜子。



自分が送って行くより、オーナーに送ってもらいたいのでは。



「よろしく頼むよ」



財布からお札を出してヒロに渡すと事務所へ戻った。




イスに座るとアームレストに肘を置きこめかみに指を置く。



そして小夜子の先ほどの姿を思い出す。



――冷たいようだが小夜子と距離を置いた方が良い。