カイトは花音を追いかけた。


真っ直ぐ突き進む花音が心配だった。


しかし、花音がこれほどまでに小夜子を気にするのか分からない。


すべてを話して小夜子をなんとも思っていないと分かって欲しかった。


廊下に出てエレベーターの前へ行くと扉は閉まり下がっていく。



――18・17・15・13・8・・・・家に戻らないのか?



もう1機あるエレベーターが到着し、開いたエレベーターに乗り込むとカイトは迷わず1階を押した。



* * * * * *




花音は1階に着くともう一度戻ろうかと足を止めた。



――飛び出してきちゃってバカみたい・・・。ちゃんと話を聞くべきなんだ・・・。



エレベーターの前でうろうろしていると花音を覗き込む人がいた。


「やっぱり花音ちゃんだ!?」


「えっ?」


花音は目の前の男性に驚いた。