「小夜ちゃん!!」


莉緒が振り返ると日に焼けた小夜子がにこにこと立っていた。



小夜子にはまだカイトが目に入っていないようだ。


紫苑は箸を置くと立ち上がり2人の元へ近づいた。



「小夜子さん いらっしゃい」


この家の主らしく紫苑は小夜子に挨拶をした。



突然の客に花音は唖然とし、カイトは心の中で深いため息を吐いた。


――まさか、小夜子がここへ来るとは思っても見なかった・・・オーストラリアにいるはずではないのか?


元カノの出現に花音がどんな反応をするのか・・・。


「お客様だったんだね ごめんね 突然来ちゃって」


小夜子が席についている2人に頭を下げてから視線を男性の方に移した時、目が大きく見開いた。