「おせち料理!」 花音が嬉しい声をあげた。 ダイニングルームの大きなテーブルの上に重箱が重ねられおいしそうなオードブルや蟹やえびが所せましと置かれている。 「花音ちゃんはおせち料理が好きなのかい?」 喜ぶ花音を見て紫苑が聞く。 「今年は母が入院しているのでお初なんです♪」 「そうだったのか・・・」 紫苑は花音を気の毒に思った。 「花音ちゃん、たくさん食べてね?」 莉緒が気兼ねしないで食べられるように言う。 「はい!ありがとうございます」