医師と看護師が出て行くと、花音はベッド傍のイスに座った。


「せっかくのお正月だというのに・・・ごめんなさいね」



「ううん わたしの事は気にしないでいいから はるかさんから聞いた?お店に女の子入れたから行かなくても良くなったの」



「ええ 聞いたわ 早く見つかって良かったわ やっぱり高校生が手伝うものじゃないしね?ママはいろいろ貴方に教えてきたけど水商売をして欲しいわけではないもの」



そう言うママの顔色は良さそうで、医師の言うとおりあと二週間ほどで退院できそうだと花音は思った。



病室を出た花音は廊下を歩き、エレベーターに向かった。



「花音ちゃん」


名前を呼ばれて振り向くと先ほどの担当医が立っていた。