啄ばむようなキスからだんだんと深まっていく。


――どんなに俺の腕で溺れさせたいと思っているかわかってるのか?



花音に煽られてカイトは我慢の限界に近づいている。


それでも堪えられたのは、理性だ。



――まだ高校生の彼女・・・大事にしなくては。



甘い唇を吸うようにキスした後、カイトは離れた。



「カイトさん・・・?」



――もっとキスして欲しい・・・。



「起きよう こんな時間だとは思わなかったよ」


花音は前回のことを後悔していたので「やめないで」とは言わなかった。



「カイトさん これから用事が?」


「事務処理があるんだ」


「お仕事大変だね? わたしはママのお見舞いに行ってくるね」


花音は落ち込みそうになる気持ちを隠してカイトに笑顔を向けた。