振り返ると声に引けをとらないきれいな女性が立っていた。


カイトを見てにこにこしている。



――きれいな人・・・。



「莉緒ちゃん 来ていたんだ」



莉緒が「たまにはねっ 紫苑さんに行きたいってお願いしちゃった♪」と言って髪の毛に手を持って行った時、花音は左手の薬指に指輪を見つけた。



――紫苑さん・・・?



その時、背の高い男性が近づいて莉緒と呼ばれた女性の腰に腕が回った。



「どこへ行ったのかと思ったよ」



その男性は恥ずかしげもなく彼女の頬に唇を寄せる。



「カイトさんが見えたの 紫苑さんはスタッフの人とお話中だったし」