箱を開けて花音はあっけに取られた表情になった。



薄い紙をめくるとそこには上品な真紅のドレス。



首周りはレースで飾られ、袖口もひらひらとしたレース。



スカートは膝丈で花音の形の良い足をきれいに見せてくれそうだ。



「すごくステキ!ありがとう カイトさん」



箱から出したドレスを自分の体に当ててみる。


「どうかな?カイトさん」



「花音ちゃんははっきりした顔立ちだから派手な色でも着こなせるね」



カイトははしゃぐ花音を見て安堵した。


別れ際、冷たくしてしまったし、ほったらかしにしていたので花音の反応が読めず会うまで不安だった。