「花音ちゃん・・・?」


驚いた声だった。


「その余裕の態度がいやっ!」



――だんだん収拾がつかなくなってきている・・・。分かっているのに言っていた・・・。





腰に回っていた腕が離された。



そして溜息を一つ。



「今ここで奪って欲しいの?」



「!ちがっ・・・」



花音が大きく首を横に振る。



「本当に俺としちゃっていいの?俺の事、少ししか知らないのに 君を奪ってから捨ててしまうかもしれないんだよ?」



――余裕なんかない 10歳も年下の女の子に夢中になってしまっているのに。



それでも花音の態度にカイトは少し腹が立った。



「カイトさん・・・」



――怒ってる・・・。