里衣子の後姿がガラスドアの向こうに消えた。


「びっくりした・・・」



――カイトさんの事、言っていなかったから里衣子、気を悪くしなかったかな・・・。



「元気のいい子だね」



「うん 里衣子を見ていると元気が出てくるの」



しばらく話をして2人はマンションへ戻った。



――同じマンションだって事が嬉しい。だって、同じマンションだと長く一緒にいられるもんね。



エレベーターに乗るとカイトは15階を押した。



――もう帰っちゃうのかな・・・コーヒーにでも誘う?でも、さっき飲んでいたのもコーヒーだし・・・。



横にいるカイトを意識しながら花音は考えていた。



エレベーターが音をたてて止まった。