花音が近づくとカイトは今までの不機嫌そうな顔から極上の笑みを浮かべ花音の名前を呼んだ。



花音が近づくと2人の女性は行ってしまった。


――カイトさんがあの人たちに良い顔をしたのではない事はわかっている。・・・でも面白くないっ・・・・。



黙ってカイトの目の前の席に着く。



「どうした?花音ちゃん」



カイトには花音の気持ちが手に取るようにわかった。


あえて「どうした?」と声をかけた。



花音の口から可愛い言葉が聞きたい。



「カイトさんって・・・もてすぎ・・・」


口を開くとなぜだか涙が出そうだった。



――カイトさんが誘ったわけじゃないのに・・・。