その後、2人は東京に戻った。


「夕食は何が食べたい?」



「え・・っと 駅のマック」



「そんな所でいいの?」



カイトが首を傾けた。



「今日一日、カイトさんに色々出してもらったのでわたしがおごります♪」



「花音ちゃん・・・そんな事気にする必要はないよ 君に払ってもらうなんて事は出来ない」



「だって、携帯だってカイトさんが出してくれたし やっぱり少しでもお礼させてください あ・・・でもマックじゃお腹いっぱいにならないかな・・・」



実は、携帯をカイトに買ってもらったのだ。



携帯ショップでは拒絶する花音と、払うと言って聞かないカイトだった。



頑として受け入れない花音の耳元に唇を寄せて「このままだと援交に見られるから お兄ちゃんと呼んで 通報されないうちに早く出よう」



――カイトさんが援交するほど女に困って見えるわけがないのに・・・。



あとでお金を返そうと決めて、花音はカイトを冗談交じりにお兄ちゃんと呼んだのだった。