料亭を出ると、車は海岸線を走り市営の駐車場に停まった。 「本当に降りるの?」 車を停めたカイトが聞く。 車の中にいても強い風の音が聞こえる。 「もちろん♪せっかく海に来たんですよ?」 花音はにっこり笑ってカイトを待たずに車の外へ出た。 車を出た途端、凍えそうな位の風が頬に当たった。 「つべた・・・」 フェイクファーの帽子を耳まで深くかぶっていると、カイトが花音の横に来た。 2人は階段を降りて砂浜に出た。