――どこで待っていようかな~



キョロキョロと開いているスペースを探そうとした時、黒のダウンジャケットにジーンズ姿のカイトが時計の下に立っているのが目に入った。



――なんで・・・もういるの・・・。



花音は茫然となって足が止まる。



腕を前で組んで立っている姿はやはりカッコいい。



待ち合わせの女性や、数人で固まった女の子たちの視線をものともしていない。



――視線を浴びることなどもう慣れっこなんだ。



カイトは腕時計を見てから辺りに目を移すと茫然と立っている花音を見つけた。



花音の方に歩き出した。



カイトが歩き出すと花音が走ってきた。