叩くつもりはなかったのだが、当たってしまって花音はまずかったと舌打ちしそうになった。






「花音ちゃん!?」



花音が叫んだ時、カイトの声が聞こえた。



――え・・・・?空耳・・?



まさかここにカイトがいるわけないと花音は振り向かなかった。




「花音ちゃん!」


もう一度自分の名前を呼ぶ声が聞こえて花音は急いで振り向いた。



「カイトさんっ!」



こんな状態なのに花音はカイトに会えて嬉しく笑顔を向けた。



「その手を離すんだ」


男たちに言うカイトの声がいつもより低い。



怯んだ男は花音の腕を掴む力が緩んだ。



その隙に花音は男の手から逃れた。



「君たちはホストのようだけど?」



カイトは2人の身なりを見て察した。