「離して!」



花音は捕まれた腕を振り払おうと身体を乱暴に動かした。



「絶対に楽しいから 約束するよ その後朝まで遊ぼうよ」



――わたしと遊んでも良い?そんなのこっちから願い下げ。



花音はムッとした顔で男2人を睨む。



1人は黒いスーツの下に紫のシャツを着て、もう1人は赤いシャツを着ている。



――趣味悪い・・・。



思わずカイトを思い浮かべてしまう。



――カイトさんならこんな趣味の悪いシャツを着ても素敵に見えるだろう。



ホスト2人なら切り抜けられると思っていた。



が、何が何でも花音を自分たちのクラブに連れて行きたいようで掴んだ腕はいっそう強くなった。