「花音ちゃん、ちょっと」


はるかに呼ばれた花音は事務所へ行った。



はるかは大きな鏡の前のイスに座ってタバコに火をつけた所だった。



花音が入ってくると大輪のバラのような笑顔を向けた。



「お疲れ様、花音ちゃん」



立ち上がって自分のロッカーの鍵を開けてバッグを出す。



「はい、これ」



はるかが花音の目の前に差し出したのは白い封筒。



「？」



受け取ってみたもののすぐにお金が入っていることがわかった。



「はるかさん、要らないっていったのに」



「とにかくもらって　由紀子ママと決めた事なんだから　自分の物に使うか・・・彼にプレゼントでも買ったらいいわ」



「わかりました　ありがとうございます」


花音は素直に受け取って封筒をバッグに入れると白いコートを着た。